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Home » Viennaレポート, レポート記事 » Vienna Ensemble Proを使う(その1)


Vienna Ensemble関連の記事を一気にアップしておりますが、それはこのVienna Ensemble Proをご紹介するためと言っても過言ではありません。これまで私はコンピュータを音源として使用する方法を数々のお客様にご提案をさせていただいてまいりましたが、まさかこのような素晴らしいホスト・アプリケーションが登場しようとは夢にも思いませんでした。

この記事をお読みいただく前に、ネットワーク機能を搭載したVienna Ensemble 3(以下VE3と表記いたします)の詳細を今一度ご確認いただくために、以下のページをご参照ください。

・Vienna Ensemble 3を使う(その1)
・Vienna Ensemble 3を使う(その2)

Vienna Ensemble Pro(以下VE Proと表記いたします)はこれまでのVienna Ensembleと同様、スタンドアローン版とプラグイン版が存在いたします。スタンドアローン版を使用した際にはコンピュータまるまる1台をVE Pro専用機として使用することが可能です。ただしOS X版は基本Intel Macが推奨されており、PowerPC環境でも動作はするものの、メーカー・サポート外になるとのことです。

これまでのVienna Ensembleと決定的に違うのは、音源としてVienna Instrumentsを使用できるだけでなく、他社製のAU/VSTプラグイン・インストゥルメントも使用可能になったことです。つまりSteinbergのV-Stackなどと同様に、ソフトウェア・インストゥルメントのホスト・アプリケーションとして使用可能になったのです。
VE Proはもちろんハイブリッド仕様ですので、OS X環境で音源マシンを構築することも可能になったわけです。Windowsはどうも苦手というMacユーザの方には朗報ではないでしょうか。

 

VEPro1

ソフトウェア全体の見栄えは少し薄めのシックな色調に変更され、私個人的にはとても好みの画面です。
これまでのVienna Ensembleと同様にPower Pan機能を搭載している他、他社製のプラグイン・エフェクトも使用可能ですので、VE Pro内である程度ミックスして出力することが可能です。

 

VEPro2

そして!前回の記事でその機能をたっぷり紹介させていただいたVE3と同様のネットワーク機能も搭載されております!!

それでは今回もOS X環境のDAW(Logic Pro 9を使用)とWindows Vista 64bit環境のVE Pro専用機という組み合わせで使用してみたいと思います。

まずはVE3の時と同様に、あらかじめVienna Ensemble Pro Serverというアプリケーションを立ち上げておきます。左側がOS X版(32bit)、右側がWindows版(64bit)です。

VEProServerMac VEProServerWin

この状態でDAW上にVE Proのプラグインを立ち上げ、VE3の時と同様に “CONNECT” ボタンを押すと以下の画面が立ち上がってまいります。WIN-VISTA64という名前がVE Pro専用機のVienna Ensemble Pro Server、localhostという名前がDAWのコンピュータに立ち上がっているVienna Ensemble Pro Serverを指しております。

 

VEPro-DAW1

ここでリスト中のコンピュータを選択して “CONNECT” ボタンを押せば、それぞれのコンピュータでVE Proが自動的に立ち上がってまいります。操作方法はVE3と全く同様です。しかし何と言っても大きいのは、VE Proが他社製のプラグイン・インストに対応しているということです!

ソフト・インストのライブラリがどんどん誇大化している昨今、ほとんどのDAWが32bit仕様の現状では、いくらCPUやハードディスクが早くなったとしても、1つのプロジェクトで使いたいプラグイン・インストを全て立ち上げられないという事態が頻繁に起こっております。32bitアプリのメモリ使用上限に達してしまうからです。

CubaseやNuendo、Sonarなど、Windows環境なら64bit化されているDAWもあるものの、まだまだプラグインまでは64bit化が進んでおらず、メインとなるDAWマシンを64bit環境で構築するとなると、それなりの制約を覚悟しなくてはなりません。

例えば今回の使用法のようにDAW側は32bit環境だったとしても、VE Pro専用機を64bit環境で構築することで、現状で既に64bit化されているソフト・インストを存分に使用することができます。

 

VEProWin1

現在Windowsの64bit環境に対応している主なプラグイン・インストと言えば、East West 「Play」、Garritan 「Steinway Virtual Grand Piano」、Modartt 「Pianoteq 3」、NI 「Battery 3/FM8/Kontakt 3/Massive」、Spectrasonics 「Stulus RMX」、Steinberg 「Halion/Halion Symphonic Orchestra」、Synthogy 「Ivory」といったところでしょうか。(その他AASやMOTUでも64bit対応をアナウンスしている製品がありますが、サウンドウーノでは動作未検証です。)

East WestのPlayやNI Kontakt 3、SynthogyのIvoryを64bit環境で動かせるのは相当大きいのではないでしょうか。PlayとKontakt 3は対応するライブラリのほとんどが大容量ものですので、64bit環境のメモリ領域を活かせるのはうれしい限りです。

VE Pro専用機側で大容量のライブラリをガンガン使用したとしても、VE3と同様にDAWのトータル・リコールにVE Pro専用機も追従してくれますので、DAW内部のプラグインとして使用している感覚とほとんど変わらずに使用することが可能です。

またVE Proはプラグイン・インストのパラアウト機能にも対応しております。VE3には無かったInputフェーダー機能が搭載され、そのフェーダーを使ってインストのパラアウトができるようになっております。

 

VEProWin2

ここまででも相当に画期的なVE Proではございますが、その魅力はまだまだ尽きません。またも長くなってまいりましたので、ページを変えて続けてまいりたいと思います。

「Vienna Ensemble Proを使う(その2)」へ→


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