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Home » Viennaレポート, レポート記事 » Vienna Ensemble 3を使う(その1)


Vienna関連の記事は本当に久しぶりです。前回の記事ではVienna Ensembleがリリースされ次第またレポートすると終わっておりますが、その後更新を全く怠っておりました(本当にすいません)。

記事を書くのを怠けていた間にVienna Ensembleの機能は大きく飛躍し、つい昨日、驚愕の機能を搭載したVienna Ensemble Proがリリースされました。このVienna Ensemble Proがリリースされたのを機に、遅ればせながらVienna Ensemble、そしてネットワーク機能を搭載したVienna Ensemble 3とVienna Ensemble Proを取り上げてみたいと思います。

第一回目の記事で書いた通り、Vienna Instruments(以下VIと表記いたします)はスタンドアローン版/プラグイン版共にシングル・ティンバーの機能しか持たず、MIDIチャンネルを1ch分しか受信してくれません。そのVIをマルチティンバー使用するために登場したのがVienna Ensemble(以下VEと表記いたします)です。

VE1

VEはスタンドアローンとしてもプラグインとしても動作いたします。このVEがリリースされたことにより、例えば一昔前のGiga Studioのように、Windows機(もちろんOS Xも可)をまるまる1台Vienna専用機にしたてて、ハードウェア音源と同等に扱うことができるようになったわけです。

VEはミキサー機能だけでなく、他社のAU/VSTプラグイン・エフェクトをインサートやセンドに使える他、左右の広がり感を調整した上でパンニングができるPower Pan機能を搭載しております。「なるほど」と思わせるVSL社ならではこだわりです。

VE2

またこのVEのリリースで大きかったのは、Windows XP/Vistaの64bit版に対応していたことです。

大容量のメモリ・モジュールがかなりリーズナブルになってきた昨今、メモリを8GB搭載したWindows 64bitマシンをかなり安価に制作することができるようになりました。32bit環境のOS XやWindows XPでは1アプリの使用メモリの上限が2GBもしくは3GBになってしまいますが、64bit環境ならその搭載メモリを存分に活かすことが可能になり、コンピュータ1台での、様々な奏法を多用したフルオーケストレーションも十分に可能になるわけです。

しかし64bit環境を使ってVE専用機を作ったとしても、どうしても下画像のような物理的な結線でのやり取りが必要になってまいります。私のようにハードウェア・シンセを多用してきた経験のある人間でも、プラグイン・シンセでのトータルリコールに慣れきってしまった現状では、正直面倒臭いというのが否めないところです。

VEline

この「面倒臭ささ」を一気に解消するばかりでなく、革新的な新しい技術を搭載して登場してきたのがVienna Ensemble 3(以下VE3と表記いたします)です。VE3を使用した場合、DAWのコンピュータとVE3専用機とを結線するのはGigabitイーサケーブル1本のみです。

VE3line

これまでにもネットワークを使った製品はいくつかありました。

その代表的なものが、コンピュータ間のMIDIのやり取りをネットワークで行う、MusicLab社のMIDIoverLAN CPです。

MOLCP

このソフトウェアはMac/Win(32bit/64bit)に対応し、コンピュータ間でMIDIのやり取りが必要になるあらゆるシチュエーションで活躍してくれます。Vienna EnsembleやGiga Studioのようにコンピュータを音源専用機として使用する場合だけでなく、コンピュータ同士のMTCでの同期走行の際も有効です。

ことこのネットワークMIDI機能を使って外部の音源専用コンピュータを鳴らした際に、ハードウェアのMIDIインターフェースでやり取りをしていた時に比べて、レイテンシーが劇的に減少するのには驚きます。DAW内の内部プラグイン・シンセとさほど変わらないレイテンシーで鳴らすことができるようになるのです。(もちろん音源専用機のオーディオ・バッファの設定にも依ります。)

WEB上でのダウンロード販売のみのソフトになりますが、サウンドウーノではこれまでに数多くのお客様にお薦めし、皆さんトラブル無くご使用いただいている素晴らしいソフトウェアです。

その他にも、Windowsのみの対応にはなるものの、ネットワークを使ったVSTプラグインのやり取りが可能なFX Teleportなどもあります。

それでは今回ご紹介するVE3はいかなるものなのか、ページが長くなってまいりましたので、「Vienna Ensemble 3を使う(その2)」で実際の使用方法をご紹介してまいります。

「Vienna Ensemble 3を使う(その2)」へ→


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