続きましてはこれまたPro Tools 8の目玉、新たなAIRプラグインの追加についてです。
ご存知の通り、デジデザインの一連のAIRプラグイン製品は、元ドイツのWizooのスタッフ陣を中心に開発されております。
Wizooとは、その昔高品位なAKAIライブラリを非常に安価でリリースして一躍注目を浴び、その後はSteinberg社製のVirtual Guitarist、The Grand、Hypersonicなどのヒット作を手がけ、未だに根強いファンの多いLatigo/Darbuka/Wizooverbなどを自社製品として世に出してきた、ライブラリ/ソフトウェアのプロフェッショナル集団です。
私もWizoo社の製品にはかなり初期からお世話になっており、AKAIライブラリでは「Magnetica」や「Powered DX」、「Platinum24 Drums」など、かなり使い倒しました。
EXS24用の「Platinum24 Piano」や「Platinum24 Latin Pecussion」は今でも絶対に手放せないライブラリです。
SteinbergのHypersonic 2には、他のソフトシンセではなかなか出せない種類の音が多数入っており、廃盤になった今でもよく立ち上げます。
前置きが長くなりましたが、Wizooのライブラリ/ソフトウェアの開発技術には、私個人的にもとても熱い信頼を置いております。
Xpand!2
Pro Tools 7のリリースと共に無償配布され、ユーザーをあっと驚かせたAIRプラグインの記念すべき第一弾、Xpand!が大きくバージョンアップいたします。
Xpand!2では収録サンプル数は倍に増え、プリセットの種類が大幅に拡張されております。
また4レイヤーまで可能だったXpand!の基本機能を発展させ、MIDI 4chのマルチティンバー音源としても動作させることが可能になりました。
ソフトシンセで結構困ってしまうので、ハードウェアPCMシンセサイザーのような、一通りの音がクオリティ高く揃っているソフトがあまり存在しないことです。
Wizooが開発に大きく携わったSteinberg社のHypersonicは、まさにそんな総合PCM音源と言えるものでした。
まず基本動作が非常に軽く、ライブラリの容量が少ない割にはどの音色もクオリティが非常に高く、発売と同時にかなり話題になりました。
Xpand!にはそんな発想がそのまま受け継がれております。
総合PCM音源としての幅広いライブラリ群が収録されており、動作が軽い割にはクオリティはどれも非常に高く、どの音色もとても壷を得た使い易い物になっております。
実は私のお客様のアレンジャーの方などにも愛用されている方が多い、元Wizooスタッフ陣の技術力の高さをストレートに表している製品と言えるのです。
そんなわけで、Xpand!2には密かに大きな期待を寄せております。
デモで少し聞けたその音色も、こちらの期待を裏切らないものでした。
私としては何とかAU/VSTプラグインでもリリースして欲しいところなのですが、これはいくら何でも無理な相談ですね。。
BOOM
ステップシーケンサーを搭載した、アナログ・ドラムマシンです。
この手のソフトは多機能になり過ぎても逆に使いづらいのですが、ここは潔く基本機能に徹して出音で勝負といった感じです。
DB-33
そのグラフィック・インターフェースの美しさに思わず心奪われる、ハモンドB3のイミュレーション・プラグインです。
単体エフェクトとしても使用可能なロータリー・スピーカーも搭載されております。
デモで音を聞いた限りでは、音の存在感やロータリー掛かり方が非常に気持ち良く、後発ということもあってか、これまでの製品と比較してもかなりクオリティの高い物に仕上がっている印象でした。
これも非常に楽しみなプラグインです。
Mini Grand
Pro Tools 8は何とも太っ腹、生ピアノのソフトシンセも付属しております。
まだベータ版での動作ということもあって、デモでは音をほとんど聞けなかったのですが、Wizoo開発となると、Steinberg社のThe GrandやGrand 2、EXS24用のPlatinum24 Pianoなどの技術が使われているのはないかと期待しております。
Xpand!の内容がHypersonicに近かっただけに、これはひょっとしたらひょっとします。
もしもこの私の勝手な期待が当たれば、かなり使い易い、素晴らしいピアノ音源になるはずです。
Vacuum
こちらはいわゆるアナログシンセ・インミュレーションのプラグインです。
しかしこのつまみの量とグラフィックの質感、なかなか期待できそうですね。
これまでご紹介してきた5種類の新たなインルトゥルメンツの他に、20種類の新たなエフェクト・プラグインが追加されます。
Pro Toolsに標準で付属するDigiRackプラグインは、かなり作りのしっかりした即戦力になるクオリティではあるものの、バリエーションという点では正直他のDAWに水をあけられていたと思います。
例えばコーラスのエフェクトがAudiosuiteのみでしか存在しないなど、やはりある程度の追加のエフェクトを購入することが必要になってまいりました。
しかし今回追加される20種類により、その問題はほとんど解消しそうです。
う縲怩APro Tools 8、早くじっくりと触りたいですね。
Pro Tools 8を少しでも早く見てみたい!という方は、11月19縲鰀21日に幕張メッセて開催される、Inter BEE 2008までぜひ足をお運びください。
(Inter BEE 2008の詳細はこちら)
発表会レポート(その4)はこちら
商品のご購入/ご予約/お問い合わせは TEL: 03-3568-8363 E-Mail: info@sounduno.com