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Home » レポート記事, 制作環境の構築 » スピーカーの設置について


※この記事は南青山に事務所を置いていた時の記事になります。

ショールームのモニター・スピーカーを何にするかかなり悩んだのですが、私の手持ちがあったということもあり、まずは定番のYAMAHA NS-10M STUDIOにいたしました。逆に誰もが聞き慣れている超定番機ということもあり、しっかりと鳴っている状態で展示しないと10Mを選択した意味がありません。

10Mを設置するスピーカー・スタンドは、私が以前から自宅用としてよくお勧めしているRaxxessのERSSにいたしました。このスタンドには高さが36インチ(91.44cm)と42インチ(106.68cm)の2種類のモデルがあり、机に向かって作業するときのための高さが十分に確保されております。
※現在このスピーカースタンドは廃番となっております。

 

ラクセスERSS

(展示には42インチ・モデルを使っています。)

RaxxessのERSSは組み立て式のスピーカー・スタンドです。天板と底板、そして空洞になっているセンターポストのセットになっており、ジョイント部に使う木製のほぞと木工用ボンドが付属しています。センターポストが空洞のままで組み立てても、かなりスピーカーがよく鳴るスタンドとして機能してくれるのですが、今回は砂詰めをするこにいたしました。

基本は粒の細かいものを詰めた方がいいらしいので、川砂10リットルを4袋買ってまいりました。

川砂

(かなり重いです。)

売られている状態のままだと砂がかなりの水分を含んでいるので、事務所のベランダにピクニック用のシートを広げ、日に干して乾燥させます。ベランダはそれほど広くないので、1回に2袋ずつ丸2日間、途中で混ぜたりしながら乾かしました。

川砂2

(黒く見えるところがまだ水分を含んでいます。)

砂が乾いてくると当然軽くなるので、混ぜるたびに砂が舞います。サウンドウーノはビルの9階ですので、その砂がさらに風に吹かれます。もう砂まみれです。せめてもの救いは、4袋分を乾かした4日間、一度も雨に降られなかったことです。

 

スタンド・センターポスト

砂まみれになりながらもやっと乾かした砂を、スピーカーのセンターポストに詰めていきます。

 

スタンド砂詰め

センターポストの穴にただ砂を流し込むだけではどうしても隙間ができてしまうので、少し詰めるたびに先の尖った棒でつつき、砂がぎっしり詰まるようにしていきます。

スタンドの鳴りができるだけ一定になるように、詰める前に砂を一度ふるいに掛け、粒の細かさをある程度一定にした方がいいとどこかの本で読んだ記憶がありますが、そこまでするエネルギーはありませんでした。

砂が詰め込まれたスタンドはかなりの重さになります。センターポストと底板がほぞと木工用ボンドで接着されてるだけの状態では、誤ってセンターポストを持って持ち上げたときに、底板が抜けて砂が部屋にぶちまかれるというかなり悲惨な状況になりそうです。センターポストと底板との接点の周りに、固まるとパテ状になる業務用の木工用ボンドを塗って頑強に補強しました。天板との接点の周りにも同様の処理を施しました。

以上、それなりの苦労もしましたが、かなりコストパフォーマンスの良いスピーカー・スタンドのできあがりです。

できあがったスタンドへNS-10Mを置くにあたり、インシュレーターとして山本音響工芸さんというところのPB-9という製品を使いました。

PB-9

オーボエやクラリネットにも使用されているアフリカ黒檀を使ったインシュレーターだそうです。この分野もそれこそピンキリでかなりの種類が出回っておりますが、お値段は4個セットで実売¥3,000前後とそれほどお高い物ではありません。実はセットで数万円する別のインシュレーターも試してみたのですが、このPB-9を使ったときの10Mの鳴りの方が、とても音楽的な私の好みの音だったので、そのまま採用することにいたしました。

その他、アンプやスピーカーケーブル、設置位置など、気にかけるところはたくさんありましたが、現状でサウンドウーノのNS-10M STUDIOは非常によく鳴ってくれています。

10Mセッティング

今ではパワードのモニター・スピーカーが主流ではありますが、今ほど様々な機種が販売されていると、10Mの後を継ぐ定番機はなかなか登場しにくいのかもしれません。今回セッティングをあれこれ詰めてみて、未だに10Mが使われ続ける理由が分かる気がいたしました。

10M、やっぱりいいスピーカーです。


株式会社サウンドウーノ 宇野克郎
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