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Home » Pro Toolsレポート, レポート記事 » Digidesign Structureを検証する(その3)


今回は、他社のソフトサンプラー・ライブラリのコンバート機能を検証してみます。
LogicでEXSを多用される方の中には、Structureのコンバート精度がどれほどのものか、気になる方も多いのではないでしょうか。
なお、コンバート結果のご報告に関しましては、私が検証した範囲でのレポートになることを予めご了承ください。

Structureは、SampleCell/SampleCell II/Kontakt/Kontakt 2/EXS24のサンプルフォーマットをコンバートして使用することが可能です。現状では、残念ながらGIGAフォーマットのコンバートには対応しておりません。

Structureのコンバートは非常に簡単で、コンバートしたいライブラリを、Structureの左側のブラウザの枠にドラッグ&ドロップするだけです。

Structure_Convert

Kontaktフォーマットはプログラム自体がサンプルの場所を覚えているので、ドラッグ&ドロップだけで大抵の場合はそのまま読み込んでくれますが、EXSフォーマットの場合、プログラムとサンプルの関連づけはLogic本体がデータベースとして持っているので、EXSのプログラムを読んでもサンプルを見つけられない場合が多々あります。

サンプルが見つからないと以下の画面が登場いたします。

Structure_Search

ここでサンプルのある場所を指定して「OK」ボタンを押せばいいのですが、「Spotlight」ボタンを押してサーチをさせることも可能です。サーチした後に、候補となるサンプルが複数見つかった場合は、以下のサンプル選択画面が登場いたします。

Structure_Search2

サンプルがきちんと見つかり、きれいにコンバートできた後には、その都度Structureフォーマットで保存し直した方が後々便利だと思いますが、コンバートの後に取りあえずはPro Toolsソングとして保存をしてしまえば、その次そのセッションを立ち上げた際には、サーチなどをしなくてもきちんとサンプルの場所を覚えてくれています。

それでは実際にコンバートした状態の音を聞いていただきましょう。

まずはEXSフォーマットです。
Logic Pro 7に標準で含まれている、Stereo Drum Kit/Fingerstyle Electric Bass/Yamaha Grand Piano/EXS String 2で試してみます。

Structure_EXS

まずはLogicでこの4つのEXSを鳴らしたデータを聞いてみてください。
Listen !

このMIDIデータをSMFでPro Toolsに移植し、4つのEXSファイルもStructureにコンバートしてみました。

Structure_EXS2

それではStructureで鳴らしたデータを聞いてみてください。
Listen !

聞いていただければお分かりの通り、かなり優秀な結果です。ファクトリー・プログラムのような構造が比較的単純なライブラリに関しては、かなり忠実に再現してくれました。

ただ私の試した限りでは、キースイッチやリリース・トリガーなどを使った特殊なEXSプログラムに関しては、全くコンバートできませんでした。

今度はKontaktフォーマットのコンバートを試してみます。
KontaktはRTASに対応しているので、Kontaktフォーマットを多用するならKontaktを使うのが一番いいとは思いますが、何はともあれ検証してみます。

Kontakt 2に標準で含まれている、808 Kit/Analog Bass 3/Digital Rhodes/Violin Ens 14 (Sus)で試してみます。

Structure_Kontakt

それではこの4つのライブラリをKontaktで鳴らしたデータを聞いてください。Pro Toolsで鳴らしております。
Listen !

4つのKontaktライブラリを、Structureフォーマットにコンバートいたします。

Structure_Kontakt2

それではStructureで鳴らしたデータを聞いてください。
Listen !

こちらもかなり優秀な結果ですね。Kontaktフォーマットのコンバートでは、キースイッチやモジュレーション・コントールが含まれるプログラムでもきれいにコンバートいたしました。

Kontakt 2に標準で付属するライブラリのうち、キースイッチを使っているViolin Ens 14 (All)と、モジュレーション・コントロールを使っているViolin Ens 14 (All X)を鳴らしたデータを聞いてみてください。

まずはKontaktで鳴らしたデータです。サンプルの切り替えはキースイッチで行い、音量の増減はモジュレーションで行っています。
Listen !

全く同じMIDIデータを使い、このライブラリをStructureにコンバートして鳴らしてみます。
Listen !

お聞きいただいた通り、かなり忠実に再現しています。

ただ、リリース・トリガーが含まれるプログラムや、レガートのようなKontakt Scriptを使ったプログラムは再現できませんでした。また、Kontaktエンジンを使った3rdパーティー製品によく見られる、暗号化されたKontaktライブラリのコンバートをすることもできません。

ここまでお聞きいただいてお気づきの方もいらっしゃるとは思いますが、Structure、本当に音の良いソフトサンプラーです。音のレンジ、音圧、音の存在感、粒立ちなど、さすがにデジデザインが満を持して発表しただけのことはあると思います。

そしてStructureの最大の売りは、「ドラッグ&ドロップによるPro Toolsトラックからのサンプルのインポート」機能であることは間違いないでしょう。Pro Toolsで録った音をすぐさまMIDIでトリガーできる操作感は、これまでとは全く違った発想でオーディオを扱える強力な味方になってくれます。オーディオとMIDIをPro Tools内で扱っている方に取っては、必須と言ってもいいプラグインになることは間違いありません!(ご購入/お問い合わせ TEL: 03-5772-5777 E-Mail: info@sounduno.com  )

これまで3回に分けてStructureをレポートいたしましたが、私の検証ページでは、恐らくネットではあまり情報が得られないであろう側面に焦点を当ててみました。また折りをみて、Structureの使い方のレポートなどもできたらと思っております。

サウンドウーノのショールームではいつでもStructureをお試しいただくことができますので、ぜひ一度足をお運びください。
(サウンドウーノへお越しいただく際には、お電話(03-3568-8363)かメール(info@sounduno.com)にてご連絡ください。)

それでは、また!!


株式会社サウンドウーノ 宇野克郎
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